【英語を話すその前に】全後輩に勧めたい『異文化理解力』が超有益だった

こんにちは!あさみんです。
今回は『異文化理解力』をレビューしていきたいと思います。
今のところ、今年イチ面白かった本です!

目次

この本がおすすめの方

この本はこんな方におすすめです。

・海外ビジネスに携わる人、携わりたい人
・外国人と仕事をしている人、したい人
・海外や異文化に興味がある人

この本を読む前の私の悩み

海外と関わる仕事をしていて、私にはジレンマがありました。
それは、海外の人と考え方の違いが起こった時や、理解し合えないとき。
「○○人はこうだから」と決めつけてしまいそうになり、慌てて「相手を国籍ではなく個性で見なくては!」と思う一方で「相手の国の考え方の傾向も知っておかないといけないのではないか?」とも思う。

逆の立場で考えれば、「日本人はこうだ」という決めつけをされるのは嫌だけど
日本に浸透している文化は知ってほしいとも思う。

一体、外国人と仕事をするにあたって欠かせない「異文化理解」とは何なのか。
「個」と「文化」のバランスをどのように考えていけばいいのか。

その答えが知りたいと、この本を手に取りました。

8つの指標


この本では、異文化を比較するポイントとして8つの指標が用いられています。
比較する際には「絶対比較」ではなく「相対比較」をするようにと述べられています。
例えば、「日本人は曖昧だ」ではなく「日本人は、アメリカ人と比べて曖昧だ」など比較して述べる、ということです。

コミュニケーション(ローコンテクストvsハイコンテクスト)


ローコンテクストとは、low-低い、context-文脈の通り、文脈に依存しない文化です。
つまり「伝わるように、明快に、はっきり物事を述べる」ということ。世界で最もローコンテクストな国はアメリカです。

逆に、ハイコンテクストとはhigh-高い、context-文脈の通り、文脈に大きく依存する。「空気を読む」と言うことです。前後の文脈などから、相手の意図を想像して読み取る文化です。世界で最もハイコンテクストな文化は日本です。これは日本人には納得の結果なのではないかと思います。

その国で話される言語は、それぞれの国のスタイルを反映します。例えば、日本はハイコンテクストな文化のため、「足」がlegもfootも指しますが、どちらを指しているかは話の流れで大体分かりますよね。英語にはこのような同音異義語はわずかです。(そのひとつがdear「最愛の」とdeer「鹿」)

英語はフランス語の7倍も単語数があると言われています。この事実もローコンテクスト文化の反映だといえるでしょう。

評価(直接的なネガティブフィードバックvs間接的なネガティブフィードバック)


例えば、職場でパフォーマンスが悪い部下がいるとします。
アメリカは最もローコンテクストな国なので、上司はネガティブなフィードバックも部下にはっきり言うと思われがちです。

しかし、実際にはアメリカ人は「ネガティブフィードバックは励ましの言葉と一緒に伝える」と言う文化があります。

フランスでは逆にポジティブなフィードバックはぼかしてふんわりと、そしてネガティブなフィードバックは直接的に伝えます。

こういう文化を理解していると、無駄に期待したり落ち込んだりすることも減るでしょう。

説得(原理優先vs応用優先)

ドイツではまず理論的概念を理解してから、それを現実の状況に当てはめようとします。
一方でアメリカでは「具体例」が説得力を増します。ある製品をプレゼンするなら、他社の採用実績が強みになるでしょう。

相手の文化では原理と応用のどちらが受け入れられやすいか、それによってプレゼンの順番や強調ポイントも変わってくるでしょう。

リード(平等優先vs階層主義)

わかりやすく言えば「横のつながり」が強いフラットな文化か、「縦のつながり」が強い文化かということです。
日本には階層主義がとても浸透しています。課長を飛び越えて部長に報告したりすることはあまりありません。

決断(合意志向vsトップダウン式)


何かを決めるとき、皆の合意があることを大事にするのか。それともトップの決断に従うことを大事にするのか。

日本は合意思考と言われます。その典型例が「稟議」。英語でも”Ringi”とよく使います。「日本では稟議専用のシステムまであるんだってさ!」と笑い話のようにされることもあるそうです。(当たり前だと思っていた私、耳が痛い・・・。)

一方アメリカはトップダウン式。自分の意見が多少違ったとしても、「トップが決めたんだから」と従うのが文化です。
様々な移民で成り立ってきた文化をまとめるのには、合意よりもトップダウン形式が効率的であったという歴史が関係しているのでしょう。

信頼(タスクベースvs関係ベース)


タスクベースの信頼とは「仕事で信頼できる姿を見せる」ということ。一方、関係ベースの信頼とは「人間関係を大事にする」と言うこと。

面白いのは、関係ベースの国の人には「プロではない自分」を見せるのも効果的ということ。少しのミスをしたり、お酒に寄ったチャーミングな自分を見せることが逆に親近感を生んだりするのです。

意外かもしれませんが、日本もかなり関係ベースの国です。
人間、よく話をする人ほど情がわくと言われています。関係ベースの国の相手とは会話する回数が多いほど、物事がうまく運ぶでしょう。
海外営業として仕事をする私も、日本国内の拠点の人とは電話での会話や飲み会の機会を大切にしています。

見解の相違(対立型vs対立回避型)


様々な意見が集まる場では、意見を戦わせて存分に議論することがよしとされる文化があります。
たとえば歴史が数々の革命に基づくフランスなどではその傾向が強いでしょう。この文化では議論でどれだけ大喧嘩になっても、会議が終わればさらりとしています。「違う意見をぶつけ合うのが大事なことなんだ」と。関係が悪くなることもありません。

日本はご想像の通り対立回避型ですね。会議で大喧嘩などになれば、人間関係まで影響を及ぼしてしまいそうです。

スケジューリング(直接的な時間vs柔軟な時間)


何ヶ月も前からきちんと予定しておくことが良しとされるのか、予定には余裕がありフレキシブルであることが良しとされるのか。これは国によって大きく差があります。

このスケジューリングの文化が違う国と仕事をするのは一見難しそうです。しかし、その場合は皆でじっくりと話し合い、リーダーが明確な方針を示せばうまく適応していきます。

なぜ、そのような文化の違いが生まれたのか

”彼らの文化的背景から、相手の思考や行動の特徴を決めつけてはならない。
しかし私たちが育った文化は、私たちの世界の見方に深い影響を与えている。”

これまで見てきたように、それぞれの指標を取っても文化でかなりの差があります。これらは偶然ではなく、それまでの歴史の産物なのです。

例えば「ハイコンテクストvsローコンテクスト」の指標で考えてみれば、日本はどこの植民地にもなったことがなく、単一民族の島国社会。数千年におよぶ歴史を共有し、鎖国もしていました。そのため、お互いの思いを汲み取る能力に長けるようになったのです。

対照に、共有する歴史が数百年しかないアメリカは、世界各国からの移民で成り立っています。それぞれが別々の歴史・言葉・バックグラウンドをもっているので、「明快に、わかりやすく」伝える必要があったのです。「相手が理解していないと、伝えたことにはならない」ということですね。

こういった背景を知ると、文化の生い立ちというのはますます面白くなります。

グローバルチームで働くポイント


それぞれが異なる文化を持っているチームで働くときには、「自分たちの国はこういう文化を持っている」と説明もせずに、「あの人たちはこうだから」と諦めては何の進展もありません。

大切なのは価値観や働き方の違いについて考えること。

そして、どのように意思決定をするか、スケジュールの厳密さやプロジェクトの時間軸についてなど、十分に話し合うことが大切です。

まとめ・最後に大切なこと

”誰と働いていようが、どこの人間と働いていようが、あなたは相手にしかない特別なものを理解しようという気持ちでどんな関係も始めるべきだ。”

相手の長所を見つけるのが得意という人がいます。相手の文化を学ぶときには相手の良いところを探すときと同じように。そして、相手の文化を尊重しながらも臆せずに自分の考えや意見を語ること。そんなスキルがこれからのグローバルパーソンには求められているのではないでしょうか。

紹介した以外にも、文化の違いの具体例や、他文化との仕事のコツが存分に盛り込まれており、とても面白い本でした!海外営業メンバー全員に薦めたい。

海外ビジネスに携わる方や外国人と接する機会のある方、海外に興味のある方などはぜひ読んでみてください!

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この記事を書いた人

30代OL。英語を独学で勉強し、事務職8年半の末、海外営業へ職種転換。留学経験なし、英検1級、TOEIC950点。2才の0才のママ。

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